アヒルと鴨のコインロッカー

邦画
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2007年、日本映画。伊坂幸太郎の小説を映画化した作品です。

監督・脚本は、『白ゆき姫殺人事件』、『予告犯』、『忍びの国』など数多くの作品を手掛けている中村義洋さん。

出演は、W主演に浜田岳と瑛太。そして、脇を固めるのが関めぐみ、松田龍平、大塚寧々、関暁夫など、そうそうたるメンバーです。

全編が仙台を中心として宮城県で撮影されています。日本映画の中でも指折りのどんでん返し映画となっており、キャストの演技力、特に瑛太に魅了されることでしょう。

進学のために仙台に引っ越してきた大学生の椎名。アパートの両隣には、河崎という若い男とブータン人の男に挟まれています。

すぐに隣人の河崎という男と付き合い始めます。ある日、河崎は椎名に本屋を襲って、広辞苑を盗むという奇妙なことを持ちかけるのです。気の弱い椎名は断わることができず、モデルガンを手に強盗の片棒を担ぐことになります。

その広辞苑を椎名の部屋の隣のブータン人に渡すというのです。しかし、河崎が盗んできたものは、広辞林だったのです。ここは、さりげなく見落としてしまいそうな細かいやり取りですが、ちゃんと意味があるのです、さすがです。

椎名は大学の売店で、教科書を買おうとするのですが、買ったような買っていないような、曖昧な記憶しかありません。そこで、河崎に電話をして、自分の部屋の本棚を確認して欲しいと頼みます。

ところが、河崎は「本は一切なくなっている」と答えます。椎名が部屋に戻って本棚を確認するも、やはり本は一冊もありません。盗まれた? 頭を抱える椎名も笑えますが、このあたりのやり取りも、最後でしっかり伏線を回収してくれますので、スッキリします。

その後、椎名は2年前のある事件についてペット・ショップの麗子から話を聞かされます。実は2年前、ペット・ショップでバイトをしている琴美は、キンレィというブータン人と付き合っていました。そのころ、仙台市内では、動物を虐待する事件が相次いでおり、あるとき、琴美はその現場を目撃してしまったのです。

ところが犯人グループに琴美は所在を知られてしまい、襲われますが、キンレィと河崎に助けられ、犯人を捕まえようとします。

一見、なんの関係もないペット虐待事件と本屋の襲撃事件が1本の線につながり、椎名の頭の中で描かれていた2年前と本当の2年前の出来事が見事に絡み合う件は絶妙です。

推理映画のようでもありながら名探偵は出てこない、青春ミステリーの様を見せながら、軽めの演出がコントのようにも感じさせる、ちょっと不思議な映画でした。

タイトルも秀逸ですね、経験のないどんでん返しが見事にはまります。

最後は切なく終わりますが、どうなったかは描いていないので、観る方の判断でしょう。できれば『コインロッカー』をもう少しアピールして欲しかったと思います。

ヒロインの関めぐみさんの影が薄かったかな? 浜田岳さんと瑛太さんの完全に食われていたので、もっと濃いインパクトのある女優さんの方が良かったかも知れませんね。

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