シックス・デイ

2000年、アメリカ映画。

監督は、ロジャー・スポティスウッド。『007トゥモロー・ネバー・ダイ』、『ストリートファイター』など、アクション映画を得意とした監督さんです。

主演アダムを演じるのは、アーノルド・シュワルツェネッガー。

脇を固めるのは、ロバート・デュヴァル、トニー・ゴールドウィンなどです。

オープニング・スーパーで、タイトルの『シックス・デイ』の説明と、近未来の記事が流れます。

「神は6日目に人間を創った。創世記1:27:31」聖書からの引用です。

その後、クローン人間失敗のニュース記事等が流れ、「6d法」成立との記事が流れます。その内容は人間の複製禁止というものです。

ここでタイトル。The 6 day ではなく、The 6th dayですね。日本人には、6thの発音は難しいので、『シックス・デイ』にしたのでしょうね。

アメリカンフットボールの試合の場面から始まります。近未来のフットボールは、ヘルメットにシードルが付いており、そこに情報が映し出されるようです。その試合で悲劇が、選手の一人ジョニーがタックルを受けて、首の骨を折り倒れます。

至急救急車で運ばれますが、チームの指令でマネージャーは、植物状態になりかねないジョニーの生命維持装置を止めてしまいます。生涯選手として契約した選手が植物状態になってしまっては、チームにとっては損害だからです。

場面が郊外の一軒家に変わります。シュワちゃん演じるパイロットのアダムが鏡に映るニュースでは、昨夜首を折った選手ジョニーの出場が可能になった、と報道しています。

アダムの家で飼っている犬のオリヴァーが伝染病にかかり、法律で処分しなければなりませんが、妻からはリペットで複製しようと言います。しかし、それに反対するアダム、伏線が上手に撒かれています。

山間のヘリコプターのシーンは頂けませんが、その他は、ここまでの近未来感がいいですねぇ。ぶっ飛ぶほどの未来感ではなく、あり得そうなほどよい未来感が身近に感じます。

勤務先のヘリポートに着くと、ロードランナーズのオーナーVIPのドラッガーを乗せるため各種検査が必要とのことで、血液検査、視力検査が行なわれます。こちらも伏線となっています。

本来は、アダムがドラッガーを乗せていく予定でしたが、アダムはリペットに行くため、ハンクに操縦を任せます。ヘリコプターが山頂に辿り着くと、バンダナ男トリップが撃ってきます。

そこで映像が一旦停止し、場面は街の中に……。ここも伏線になります。とても上手に仕上がっています。

リペットに行くタクシーで目を覚ますアダムですが、何か変な様子。フラッシュバックのようなシーンが何度も浮かびます。近未来もイエローキャブというところがいいですね。

アダムはモールでのリペットのセールスの話を聞くシーンで、若干かみ合わない会話、これも伏線になっています。また、シュワちゃんならではのセリフが粋です。

気になる人間型ドールと呼ばれる人間ソックリのロボットを娘のために買い、タクシーに乗り込みますが、このお人形、なかなかの不気味感満載で、これも伏線か? と思いきや、この件は何もありませんでした。

アダムが家に着くと、なんともう一人の自分がいます。そして、呼び止める男女が、「あれはあなたのクローン、6d法が破られた」と伝えます。そして、クローンを生かすために、アダムを殺そうとします。

その後、キャディラックの旧車で逃げるシーンもいいですね。激しいカーチェイスの末、アダムは谷に飛び込みます。そして、逃げ延びて警察署に行くのですが、クローン・アダムに先を越されて、拘留されてしまいます。しかし、まんまと警察署を抜け出し、同僚のハンクの家に逃げ込みます。

ハンクの家にいたデジタル彼女は『ブレードランナー2049』のジョイと同じですね。もしやこちらがオリジナル?

アダムはクローンを殺そうとしますが、できません。実は、クローンは自分がクローンと理解できていないようです。このあたりで話がややこしくなってきます。

ハンクの家に戻った二人ですが、突然ハンクが撃たれます。撃ってきたのはスキー場にいたバンダナの男トリップ。男は車で逃走しようとしますが、事故で瀕死の状態。そして、アダムに言います「ハンクは今日、オレが殺した。さっきのアダムはクローンだ、ドラッカーもすべてウィアー博士が複製した」と。

アダムは真相を確かめようと、ウィアー臓器移植研究所に乗り込みます。そして、博士の元へ行くと、いとも簡単に博士は今までのことを白状します。

一方、家族がドラッガー一味に捕まり二人のアダムが家族を追いかけます。なかなかややこしい件です。

ここでトータルリコール的などんでん返しがあります。

観客側はアダム本人にもコピーアダムにも愛着が沸きだし、最後はどのような結末を迎えるのか、心持ち不安になってきますが、とても上手にまとめてくれました。

上手い脚本で、伏線を上手に回収し、すっきりした結末でした。ぶっ飛んだ未来感もなく、クローンというパンドラに真正面から取り組んだ、いい映画でした。現代だからこそ、観るべき映画だと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました