デッドフォール 極寒地帯

デッドフォール 極寒地帯

2012年製作、ブルガリア映画。

監督は、『ヒトラーの贋作』のステファン・ルツォビツキー。

強盗犯の兄役を『ミュンヘン』のエリック・バナ、妹役を『her世界でひとつの彼女』のオリビア・ワイルド、元メダリスト・ボクサー、ジェイ役を『パシフィック・リム』のチャーリー・ハナムという、三人主演体制。

脇では、ジェイの父親役に『ブレイド』、『ペイオフ』のクリス・クリストファーソン、そして母親役に『キャリー』のシシー・スペイセク。この人の幸薄い感がいいですねぇ、っていうか、この人、『キャリー』以外で初めて観た。

見ただけで寒さが伝わる薄暗い山間の景色

「故郷はどんな場所か? 分からない 山里の農家で ライザと俺は生まれ育った」

ナレーションとともに、一台の車が雪道を飛ばしてきます。

車内にはアディソンとライザの兄妹と運転手のセオが乗っています。車内には大量の札束。ライザにとっての初仕事だったらしいです。いったいどのような仕事なのでしょうね。突然フロントガラスに衝撃が起き、血が飛び散ります。鹿を撥ねたようです。衝撃で車は、横滑りして雪上を転がっていきます。

アディソンとライザは助かりましたが、セオは死亡したようです。そこに一台のパトカーが近づいてきます。なんというタイミングでしょう!

しかし、車から脱出したアディソンは助けに来た警官を射殺します。ヤバイ仕事の後だったからですね。そして、ライザに金をかき集めるように指示します。

タイトル“DEADFALL”

舞台はミシガン州デトロイトウェイン郡矯正施設(簡単に言えば刑務所ですね)に変わります。その日、ジェイ・ミルズという男が出所しました。

ジェイは2008年の北京オリンピックでボクシングの銀メダリスト設定になっています。ジェイは昔通っていたボクシングジムに行き、オーナーのロニーに質問を浴びせますが、喧嘩になってしまい、ロニーを殴り殺してしまいます。

そのころ、ジェイの実家では、先住民のカジノがおそわれたので気を付けるようにと保安官が警告にきました。きっと前フリの一味のことですね。

アディソンとライザは雪原の中で、金を分け合い、離ればなれに行動します。

しかし、すごい吹雪です。街中がホワイトアウト状態になっています。ジェイは吹雪の中、車を走らせています。すると、先ほどの事件現場に。事情を知らないジェイは、警察の姿が見えると、Uターンして林の中の脇道へ車を走らせます。

後ろを気にしながら走るジェイ。かなりのスピードが出ています。すると突然人の女性の姿が!慌てて車を止め、声を掛けますが、女性は寒さの中で意識が朦朧としています。ジェイは彼女を車に乗せ、再び走らせます。女性は、あのライザです。

一方、兄のアディソンは吹雪の中で、スノーモービルを操作する男を見つけ、ためらうことなく殴りつけます。雪に倒れ込んだ男の容態を確認しようと近づくが、男は反撃し、ナイフでアディソンの左の小指を切り落とします。

そして、乱闘の末、アディソンが男を刺し殺します。そして、モービルを奪い取りますが、そのモービルもポンコツで、山の中でエンスト。ついでに切断された小指をエンジンの熱で血止め。>_<!

保安官事務所では、女性保安官ハンナにFBIの合格通知が届きます。しかし、同じ保安官である父親のことを思うと手放しでは喜べない様子です。もう一つのドラマが展開していますね。

ジェイはライザを乗せて給油所に辿り着きました。道は吹雪で閉鎖され、その夜は、給油所で泊まることになりそう。ライザは、車の中にあるジェイの手紙から、ジェイの実家の住所を探りあて、兄に電話。そこで待ち合わせることに!悪いヤツ!

アディソンは森の中で一軒の民家を発見。そこは夫婦喧嘩の真っ最中。妻は赤ん坊を連れて森に逃げていきます。アディソンは家に乗り込んで、少女の目の前で夫を撃ち殺します。もう非情というか、意味分かんない。

妻と赤ん坊を助けるアディソン。なんか優しい。けど、夫撃ち殺している…過去の因縁に関係あるのでしょうか?助けた少女との会話で、飲んだくれの父親に対するアディソンの怒りが読み取れます。

翌日の保安官事務所。昨晩アディソンが救った女性の母親というヴィッキーが訪れます。娘から連絡がないと心配しています。ハンナに無事を確かめて欲しいと。いろいろな点がつながっていきます。ドラマの醍醐味ですね。

一方、ライザはジェイの元を離れようしますが、ジェイが認めません。ジェイが本気になってしまったようです。ライザは引き戻され、ジェイに子どものころのことを語ります。

ハンナは依頼を受けた山小屋に向かいます。アディソンはモービルの音を聞きつけ警戒します。そして、近づいてきた保安官を撃ち殺します。さらにハンナたちに発砲してモービルで逃げていきます。

スノーモービルによるチェイスで場面にスピード感が出てきました。スノーモービルのチェイスを観るのは『ダイ・ハード2』以来ですね。そして、アディソンは逃げ切ります。

アディソンはジェイの実家に忍び込み、母ジューンにライフルを向けます。すぐに夫のチェットも人質となります。

ジェイとライザもジェイの実家にたどりつきました。しかし、ジェイも犯罪者の身、警戒します。そして、家の中に……。

しかし、両親が人質になっていることを驚くジェイと、複雑な気持ちになるライザ。兄妹は家族の前ですっとぼけたフリをします。

そのころ、保安官事務所にジェイが起こした乱闘事件の件で、デトロイト警察から電話が入ります。ハンナはジェイの実家へ行くことにします。電話での会話では、ジェイが殴り殺したと思い込んでいるジムのオーナーは、単なる脳しんとうのようです。

ジェイの実家では、人質となった家族とともに感謝祭のディナーが始まろうとしています。ところが、アディソンのあまりの非情っぷりにライザがキレてしまいます。ここでライザとアディソンの関係が家族に知られます。

やがて、ハンナが訪れます。そして、簡単にハンナも人質に。こうして居心地の悪い感謝祭のディナーが始まります。

ハンナの父親がジェイの家に近づいてきます。異変を感じたようで突入することになります。ところが、父は間違えて娘のハンナを撃ってしまいます。

ぶち切れたジェイは、強引に鎖と手に刺さったナイフを抜いて、自由の身に!そして、アディソンにオリンピック級のパンチを浴びせます。気持ちのいいシーンです。

そして、ジェイに銃を向けた兄をライザが撃ちます。

ラストを引っ張らず、余韻が残った状態でのエンディング。もうひと押し欲しかったけど、これが最善のラストかな?

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